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木造閻魔王坐像(もくぞうえんまおうざぞう) |
台東区有形文化財〔彫刻〕(平成7年度登載)
台東区谷中 立善寺
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像容は、ほぼ通形〈つうぎょう〉の閻魔王像で、頭に冠、体部には道服〈どうふく〉を着け、左手に巻子〈かんす〉、右手に笏を持つ姿です。顔は、眉毛を上げ、目は下方を睨み、口を大きく開いたさまで、亡者を恫喝する忿怒〈ふんぬ〉の相を表現しています。 像の底部に記された銘文によって、さまざまなことが判ります。作者は「仏師田中形部済時〈ぶっしたなかぎょうぶなりとき〉」で、天和3年(1683)閏〈うるう〉5月7日の制作です。「法明院」という人物が、同年2月26日に亡くなった孫「教生院善心」の供養を思い立ち、教生院の両親「浅野氏夫妻」が施主となり、造立したものです。 本像については、文政12年(1829)編集の『御府内備考 続編』立善寺の項にも記されており、当時、すでに立善寺に納められていたことは確実です。しかし、閻魔王像を安置する日蓮宗寺院は少なく、立善寺所蔵の記録類には銘文中の法名がまったく見えませんので、本像は文政12年までに他の寺院から移されたものであると推定できます。 江戸時代の仏像彫刻は、一部をのぞき定型化した像が多くなりますが、本像は忿怒の形相、道服の表現などに高い彫技を看取することができます。その上、銘文により作者・製作年代・制作目的が明らかであるため、江戸の彫刻美術や閻魔信仰の様相を考える上で、貴重な遺品のひとつです。
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