木造千手観音坐像(もくぞうせんじゅかんのんざぞう)


台東区有形文化財〔彫刻〕(平成10年度登載)
台東区松が谷 清水寺



千手観音坐像
千手観音坐像

 観音菩薩は、時機に応じて33の姿に化身するといわれ、千手観音はそのひとつとしてよく知られています。
 当寺は、伝承によれば、平安時代の高僧慈覚大師円仁<じかくだいしえんにん>(794〜864)が武蔵国平川(現在の皇居平川門付近)に創建、慶長年間(1596〜1614)徳川家康の江戸城改修にともない日本橋馬喰町へ移転し、万治元年(1658)現在地に移ったといいます。
 清水寺の千手観音坐像は、像高37.7センチメートル。正面・左・右に合わせて42本の腕を具え、さまざまな物を持っています。
 面長な顔、ややふくらみのある頬に鎌倉時代の特徴が現れていますが、面相(目・鼻・口など)や着衣の彫り型が、同時代の仏像に比べて固さが見られるため、南北朝時代の制作と思われます。
 また、平成8〜9年にかけて本像の修理を行った際、胎内より古文書が発見されました。それによりますと、当寺の中興に努めた慶圓という僧侶が、慶長7年(1602)に現世安穏・後生善処を祈って、「法華経普門品<ほけきょうふもんぼん>(観音経)」や「菊水延命経<きくすいえんめいきょう>」を唱えた、と記しています。
 おそらく、慶長7年にも本像の修理を行い、完成に際して右のような経典を唱え、その旨を記録したものと考えられます。

胎内に納入されていた古文書
胎内に納入されていた古文書



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