石造狛犬(せきぞうこまいぬ)

台東区有形文化財〔歴史資料〕(平成153月登載)

 

台東区今戸 今戸神社


 

本狛犬は今戸焼(いまどやき)の職人により、宝暦2年(1752)に今戸町の鎮守であった今戸八幡神社(現在の今戸神社)に寄進され、文政5年(1822)8月に再興されたものです。浅草新堀の石工(いしく)である小松屋竹右衛門(岡田竹右衛門)が製作しました。「本多五郎兵衛忠廣」なる人物が願主のようですが、詳細は不明です。

今戸焼とは江戸時代・明治時代を中心に今戸やその周辺でおこなわれた地場産業です。瓦・日常生活道具・土人形・工芸品などの焼物を生産販売して、江戸東京住民の需要に応えました。

狛犬の台座に詳細な銘文があり、今戸焼職人ならびに世話人の計42名が寄進したことがわかります。この職人たちは火鉢屋・土器屋・焙烙屋(ほうろくや)に所属しており、食器や調理道具など、日常生活道具を生産していた人々です。

明治期以後には、今戸焼の需要の減少にともない職人も減少していきます。残る職人たちも、今戸周辺の都市化や、震災・戦災などにより、隅田川の東岸、中川・荒川の流域などの周辺地域に移転していきました。現在、区内には一軒を残すのみとなっています。

本狛犬は、今戸現地に残り、最も詳細に江戸時代の今戸焼職人の名前や所属が判明する貴重な資料です。

 

▲狛犬を寄進した今戸焼職人の名が刻まれる。

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