木造阿弥陀如来立像
(もくぞうあみだにょらいりゅうぞう)

台東区有形文化財〔彫刻〕(平成3年度登載)
台東区谷中 安立院


木造阿弥陀如来立像 安立院(あんりゅういん)は、現在曹洞宗系(昭和29年改宗)単立寺院ですが、もと延暦寺別院安楽律院末の天台律宗でした。文政9年(1826)の記録には現在隣接する天台宗天王寺の塔頭〈たっちゅう〉の一つに挙げられています。
 来迎印〈らいごういん〉阿弥陀像は従来坐像が普通でしたが、鎌倉時代仏師快慶〈かいけい〉が、安阿弥様〈あんなみよう〉と呼ばれる三尺立像の阿弥陀仏を新しく造立して以来、立像へと転換していきました。
 本像は、ヒノキ材製で寄木造。像高98.3cm、髪際高〈はっさいこう〉91.8cm。螺髪〈らほつ〉を彫り出し、肉髻珠〈にっけいじゅ〉・白毫〈びゃくごう〉を表し、衲衣〈のうえ〉・褊衫〈へんざん〉・僧祇支〈そうぎし〉・裙〈くん〉を着け、来迎印を結んで左足をやや前に出して立ちます。玉眼を嵌〈は〉め入れ、肉身部は金泥塗、衣部は布貼り、黒漆塗の上に白土地、丹彩の上に金泥塗。その上に切金文様を表します。その彫法・仕上げから、典型的な安阿弥様を示す、鎌倉時代後期の正統仏師の作品と思われます。
 本像が当寺に安置された時期は不明ですが、文政12年(1829)編集の『御府内寺社備考〈ごふないじしゃびこう〉』に本尊として記され、これ以前と思われます。現在、本堂に安置されており、区内の古仏の優品として貴重です。

 

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