銅造釈迦如来坐像
(どうぞうしゃかにょらいざぞう)

台東区有形文化財〔彫刻〕(平成4年度登載)
台東区谷中 天王寺


銅造釈迦如来坐像 像背面銘文によって、元禄3年(1690)5月、神田鍋町に住む太田久右衛門が鋳造したとわかります。また、願主は未詳ですが、当寺が天台宗に改宗する前の日蓮宗最後の住持「日遼〈にちりょう〉」の名が刻されています。
 青銅を材料とし、割型の製法で鋳造され、螺髪は旋毛形、肉髻珠・白毫相を表し、衲衣〈のうえ〉・褊衫〈へんざん〉を着け、両手を胸前で合掌し、大仏座上に結跏趺座します。大きさは像高296cm、髪際高241cm。なお本像は、江戸期の史料に「丈六仏」と紹介されていますが、本像に関しては、髪際高を像の高さとしたものです。「丈六仏」とは、1丈6尺の高さに作る身長を持つ仏像をいい、坐像の場合は、同じ身長の立像の二分の一の高さ、8尺の坐像が丈六です。
 本像ははじめ旧本堂右側の地に建てられ、明治7年の谷中墓地開設のため、墓地西隅に残されていたところ、昭和8年現在地に基壇を新築、修理を加えて移され、昭和13年、基壇に納骨堂が設置されました。
 本像について『江戸名所図会〈えどめいしょずえ〉』や『新撰東京名所図会〈しんせんとうきょうめいしょずえ〉』に記載があり、谷中地域の、さらに江戸・東京のシンボル的な存在だったと知られます。

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