絹本着色孔雀明王画像

(けんぽんちゃくしょくくじゃくみょうおうがぞう)

 

台東区有形文化財〔絵画〕(平成6年度登載)

台東区谷中  明王院


  孔雀明王とは、古代インドにおいて毒蛇を食すと伝える孔雀を尊んだところから生まれました。蛇の毒を甘露〈かんろ〉に変えるように、衆生の煩悩〈ぼんのう〉や業障〈ごうしょう〉を消すといわれ、日本でも古くから信仰されています。

 本図は、縦76.1センチメートル、横37.4センチメートル。図柄は、羽を広げた孔雀の背に蓮華座を乗せ、その上に結跏趺坐〈けっかふざ〉する明王像を表しています。明王は、左右に2本ずつの腕があり、左手には柘榴の実と孔雀の尾、右手は倶縁果〈ぐえんか〉と蓮華をそれぞれ持つさまです。制作年代・作者は明らかでありませんが、的確な描写の中にやや固さを見ることができますので、室町時代の制作と推定できます。

 区内に現存する多くの仏教絵画の中で、孔雀明王画像は少ない作例のひとつです。本図は、室町時代までにさかのぼる優品として、きわめて貴重です。

 

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