さりげなく思いやること 
それが品格
 

 梅雨も半ばを過ぎましたが、蒸し暑い日が続きます。休み時間を終えて元気いっぱいに教室に帰ってくる子供たちの顔も上気していて湯気が立ちそうです。1学期のゴールも見え始めた今日この頃、どの学年の子供たちも学習に遊びに一生懸命取り組んでいます。
  さて、「品格」という言葉がブームになって久しくなります。「国家の品格」「女性の品格」「親の品格」等々、品格について書かれた本がたくさん出版されています。今、日本中で、品格を求める気持ちが強くなっているのでしょうか。本の中に、こんな一節がありました。(下線:時田)

 自分がしてほしくないことは人にもしないというのは品格ある生き方の基本です。‥‥嘘をつかれるのは嫌ですから自分も嘘をついてはいけません。相手が約束を守ってくれないと嫌ならば自分も約束を守らなければなりません。人にバカにされるのは嫌ならば人をバカにしないように振舞わなければなりません。‥‥自分が一生懸命話しているのに自分の話は聞かず、仲間うちで無駄話をしている人間は誰でも癪にさわりますから人の話にも耳を傾けなければなりません。品格ある人とはこうしたことをさりげなく実行できる人です。人間としての基礎力といえるでしょう。その基本は、自分が相手の立場でこんなことをされたら嫌だなと想像できることです。‥‥

 子供たちが学校でトラブルを起こす時、たいていは上記の文章とかかわることが原因になっていることが多いものです。「○さんが嘘ついたから」「△さんが約束を破って他の人と遊んだから」「◇さんが自分をバカにしたから」等々。そういうトラブルが起こった時、教師は多くの場合、「あなたがそうされたらどう感じるの」と問題を自分に引き寄せて考えさせます。「あんなことを言われたらさぞかしつらいことだろう」とか「自分は軽い気持ちで言ったけれど、あの子にとってはきつい言葉だっただろう」と自らの身に置き換えて考えられる子は、自分の非を十分に反省し、思いやりのある言動ができます。でも、時には、自分の身を守ることに精一杯という子もいます。子供であっても、自分がしてほしくないことは人にもしないという人間の基本的なルールをしっかりと守り、凛とした品格を身に付けたいものです。そのためには、まず、私たち大人が見本を見せられるように努力しなければなりませんね。
  さて、5年生とともに2泊3日を過ごした霧ヶ峰移動教室でのことです。キャンプファイヤーも終わりに近づき、司会の子が「準備不足でみんながつまらなかったのではないかと心配です。」と言った時、期せずして子供たちの中から「そんなことはない。とっても楽しかった」という声とともに大きな拍手が起こりました。「さりげなく人を思いやることができること」を実践できた5年生の姿を見て心から嬉しく思いました。5年生の友達への思いやりも、子供ならではの品格といってもいいのかもしれません。心が温かくなる一瞬でした。  夏休みをひかえた七月、人とかかわることが多くなることでしょう。大人も子供も相手の立場を考え、心にゆとりをもって人と接したいものです。
  暑くなります。元気に夏休みを迎えられるよう、体調にくれぐれも気を付けてお過ごしください。
  また、安全に留意されて、ご家族そろって、夏の楽しい思い出をたくさんつくってください。

              
平成20年7月吉日
          校長  時田明子