体験から学ぶこと 副校長 栗原宏成
道端のタチアオイの花も徐々に上の方まで花が咲き始め、夏がもうそこまで近付いている気配が感じられます。今年の梅雨は雨模様の日が多く、6月下旬に行われた5年生霧ケ峰移動教室も天候が心配されていました。しかし、幸いなことに思いのほか好天に恵まれ、ほぼ予定通りに日程をこなすことができました。移動教室から帰校したときの子どもたちの表情は、やや疲れが見えたものの、霧ケ峰の自然の中多くの体験をしてきた満足感に満ち溢れていました。出発までのご準備や帰校の際のお出迎えなど、保護者の皆様にはご協力をいただきありがとうございました。
さて、先日の校庭開放のことでした。学んだ知識と体験が結び付いたとき、本当の理解につながり、子どもの心を揺り動かす力を生むことを改めて思わされることがありました。
「先生、カエルがいた!」
私は心の底から驚き、報告しに来てくれた子どもたちの顔を見詰めてしまいました。そこには、かけがえのない宝物を見つけたよ、と言わんばかりに輝く表情がありました。
「え?どこに。」
「そこの田んぼだよ。」
と言って、池の隣を指差しました。その田んぼは、わずか畳半畳ほどの広さです。栽培委員会の子どもたちとともに理科TTの金子教諭が、最近は活用されていない場所を掘り返し、稲を植えて田んぼにしたものです。
「ねえ、見て見て。このカエル、まだ尻尾がついているんだよ。」
「本当だね。カエルがいるということは、おたまじゃくしが・・・。」
私のことばが終わらないうちにその子どもたちは、顔を見合わせ一目散に田んぼに向かって走っていきました。きっと、隣の池におたまじゃくしがいるはずだよ、ねえ、探しに行こう、表情で互いに理解し、行動を起こしたのでしょう。
カエルは卵からおたまじゃくしになり、そしてカエルになる。このことは、小学生以前でもかなりの子どもたちが知っていることです。図鑑でも、ビデオでもその変化を学習することができます。そのように身に付けた知識を、実際の体験は裏付けし確実なものにしてくれます。逆に、体験から学んだことを知識や態度として与えてくれることもあります。報告に来てくれた子どもたちは、体験の中でこれまでに得た知識を確認し、おたまじゃくしを探しにいったのだと感じました。子どもたちのカエルへの関心の高さは、まだしばらく続きそうです。
体験は、知識とのかかわりだけで重要である、ということではありません。霧ケ峰に行った5年生は、集団生活を送る中で、友達同士のかかわり方など人間関係についても学んできたことでしょう。これから岩井臨海学園に出かける4年生や日光林間学園に出かける6年生も多くの体験を積んでくることでしょう。夏は、家庭や地域で過ごす時間が長く、子どもたちが様々な体験を積むのに適した時期です。それぞれの体験をとおして成長していく子どもたちの姿を楽しみにしています。