本物と体験

                      校長 鈴木 春樹

   明けまして、おめでとうございます。新しい年を迎え、保護者、地域の皆様には
日頃よりお世話になり感謝申し上げます。この2週間の冬休み中、子供たちも家庭
に帰り、正月の行事にふれ、成長したことと思います。
   さて、昨年12月「ミニコンサート」をPTAの協力で開催しました。リコーダーの演奏
家を招き、様々な種類のリコーダーの演奏を聴くことができました。演奏、お話、衣
装ともすばらしいものでした。また、保護者の皆様に呼びかけたところ、多数の方に
おいでいただき、ありがとうございました。子供たちが体験したことを、共に体験して
いただいたことをうれしく思います。
  演奏が終わった後、演奏者の方に聞きました。「足立区の花畑小学校出身ですか
?」足立区の小学校は30年ぐらい前、リコーダーの演奏で有名だったからです。
答えはこうでした。「そのとおりです。足立区立花畑第一小学校の卒業生です。学校
ではリコーダークラブでリコーダーを吹きました。その後、教員になったのですが、リ
コーダーを忘れられなくて‥‥。教員になってから、ある日、大きな転機が訪れました。
それは、子供に、『先生、リコーダー上手だね。』と言われたことです。そして、教員を辞めてオーストリアに留学して、リコーダーを学びました。今は、妹も巻き込んで演奏をしています。」というものでした。
  演奏だけでなく、子供たちにも同じような話をしていただきましたので、よい「生き方」の教育ができたと思いました。また、数十年前の小学校の音楽教育によって、演奏家となった方がいるのも感慨深いものがあります。
現在、大人の生き方を子供に教えるのが難しい時代かもしれません。大人の仕事が子供に見えにくいからです。しかし、子供たちは様々な経験の中から生き方を学んでいます。それは、本物の体験と共に擬似体験とよばれるものもあります。
   学校では、教育の中で知識や理解を徹底して教える内容と体験的に教える内容とを適宜指導しています。本物の体験と疑似体験を意図的・計画的に取り入れて指導します。私が大正小学校に着任して思ったことですが、校内のいたるところに算数の力を伸ばす仕掛けがありました。例えば、掲示物です。授業だけでなく、掲示物や職員室の前のコーナーなどの展示で考えた力が、体験的に育まれているのです。
   私が台東区に着任して思ったことですが、台東区では本物に触れる機会が多いということです。音楽、寄席、演劇など、台東区の文化といってもよいかと思います。今後の大正小学校の教育で考えていることは、本物に触れる教育です。プロフェッショナルの技術や芸術、生き方などに意図的・計画的に触れる教育を今後考えていきたいと考え、新年のあいさつといたします。


【学校公開、展覧会のお知らせ】

   1月23日(水)〜29日(火) ただし、1月24日(木)は研究会のため午前授業となります。  

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