上中の教育
 昨年、上野中学校は開校60年を迎えました。
 教育に王道はありません。私たちは地道にコツコツと自らを励まし、自らを磨き鍛え、自らを社会に還元すべくひたむきに努力する人を育てています。勿論家庭の教育力、指導力、育成力が無いと、学校教育だけではおぼつかないことも多々あります。中学時代は13歳から15歳までのおよそ3年間です。しかし、たかが3年ですが、されど3年です。思い返せば誰しも中学時代の記憶は鮮明で、純白の心に想い悩んだことも、勉強に行き詰まったことも、身近で働いている方々の姿が見え隠れしたのも、最初に人生に悩み、進路に思い悩み始めたのもこの時期ではなかったでしょうか。『後悔先に立たず』という言葉があります。子どもたちがこのかけがえのない中学時代の悔いを先々に残さないように、道を間違わないように、きちんと教え導くことを私たちは目標としております。
 私たちが大切にしていることは「教育は人なり」ということです。教える側の力量こそ子どもたちの健全育成に欠かせない必要不可欠な学校の資質です。だからこそ指導者には研修の義務があり、ただ生徒たちに関わっていればよいというものでもありません。生徒一人一人に個性があるように、それぞれの生徒を堅実に育てるためには個別指導と指導の工夫が必要になります。
 さらに自由闊達に活動する生徒たちの個性を失わせないように気をつけつつ、社会の一員として着実に育てることも大切であると思っております。そのためには教職員のチームワークが大切であり、不可欠であります。本校の教育の特長は生徒一人一人の個性をいかしつつ、他者との関わり合いを通して丁寧に学び取ることと、伝統的、地理的な学習環境に恵まれていることです。生徒たちはこのような学習環境を有効活用し、日々学習に励んでおります。11月10日の記念式典ではこれまで培ってきた上中の伝統と、歌声がひびき、笑顔が行き交う生徒たちをご覧いただけ,大勢のご来賓,上中にゆかりのある方に満足いただけました.

学習活動
  本校の教育活動はこれまでもこれからも学習活動が中心です。学習活動には4つの基本スキルがあります。それは「読む」・「聞く」・「書く」・「話す」の4つです。それこに最近では、「考える」・「創造する」・「描く」・「発表する」・「表現する」の5つのスキルが求められてきております。さらに人間関係づくりの苦手な子どもたちも増えており、そのためのコミュニケーション・スキルの取得も重要視しております。次に掲げる学習場面は、あらゆる学習活動のあらゆる場面で目に触れることができます。

T 教科教育  
 
 ・各教科の指導に当たっては、学ぶことの意義を考えさせるとともに、指導内容・指導方法を工夫改良して、学ぶ手立てや生活についての考え等をも深めさせております。
 ・「分かる授業」の探求を授業改善の目標にし、常に生徒たちの興味、関心を引き出すように心がけています。
 ・恵まれた教育環境を最大限にいかしつつ体験的学習や課題学習の導入活用を図り、自主的自発的な学習意欲を発達段階に応じて高め、3年間で教育目標の具現化を図るようにしております。
 ・生徒の興味関心のみならず、発展的な学習内容、幅の広いテーマなど教科学習では満たしきれない内容など、多様な学習活動を取り入れております。選択教科では個の学習をより深化させ発展させるようにしております。



      登 校 風 景

U 道徳教育
 
 ・あいさつ、基本的な礼法、弱者に対する心遣いが日常的に、しかも平常心でできるように指導しております。
 ・人権尊重教育を基本に、生命を尊重する心、他人を思いやる心、豊かな人間関係を築くことなど、人としての基本的なあり方を会得させるようにしております。 
 ・道徳授業地区公開講座を含め、普段の道徳の授業を理解してもらい家庭教育との連携を常に心がけております。
 ・生徒の道徳心を喚起する授業を創出するために道徳の授業研究に前向きに取り組んでおります。
 ・日常の学校生活で実践的な道徳心を体現させ、さらに身につけさせるように取り組んでおります。
 ・「いじめ」を容認しない強い心と「いじめ」を見過ごさない健全で心通う学級づくりを心がけております。


   授 業 風 景



V 特別活動
 
 ・個、班、学級、学年、委員会、部活動、生徒会など、どの場面でも生徒一人一人が自ら考え、正しく判断できる資質を磨き高めるようにしております。
 ・生徒一人一人がお互いの個性を尊重し、互いに望ましい人間関係が構築できるように人と人との交流を大切にしております。
 ・多感で伸び盛りの中学時代なので、発達段階に応じたカリキュラムを創出し、学級や学年を単位とした活動を基本にし、所属意識、連帯感、協働意識など、チーム力も育むようにしております。
 ・いつでもどこでも生徒の学習意欲を高めるための活動を心がけ実践しております。
 ・どの学校行事にも生徒一人一人を関わらせることによって、努力すること、意欲を高めること、望ましい態度を育むことなどを目に見える形で評価し、個々の人格形成に役立たせるようにしております。


  生 徒 総 会




  食 育 教 育

W 総合的な学習の時間
 
 (1)
学習テーマは「身近な地域
 テーマ設定の理由・・・本校は台東区上野桜木町にあり、周囲には国立博物館、国立科学博物館、東京芸術大学、国際こども図書館、上野動物園など第一級の文化、教育、芸術などがあり、居ながらにして総合的な学習に取り組むことができます。さらに生徒が通ってくる区域にも寺社などの歴史的建造物や石碑などの旧跡があふれ、江戸時代から今日までの変遷を学ぶことも可能です。一方、民家や旧家も多く、伝統的な芸術や催し、祭事や縁日にも事欠かず学習場面は豊富であります。身近な地域を知ることは、調べ学習を会得することは基より、地域を愛する心を芽生えさせ、ひいては「生きる力」を醸成することにもなります。
(2)計  画
 3年間の発達段階に照らし、1年次は『身近な地域を知る』2年次には『身近な地域に学ぶ』そして、卒業年次には『身近な地域にはばたく』と発展させています。どの学年でもメインテーマを見据え、1年生は「地域調べ」と「職業人に学ぶ」、2年生は「職業体験学習」とグループ発表、3年生は卒業レポートの作成を中心に据えています。
(3)学習目標
 本校では《育てたい生徒像》《身につけさせたい資質や能力》という二つの目標を学年毎に用意し、意図的計画的に授業を展開しております。


             職業体験学習





           総合的な学習の発表

《育てたい生徒像》・・・「知」、「徳」、「体」の調和のとれた豊かな人間性を身につけた生徒。調査や体験的な活動を通して、ねばり強く、主体的に学ぼうとする態度や学び方を身につける生徒。正しく判断し、自発的・自主的に学習し、学習の成果を実践に生かすことができる生徒。自己を高めることができる生徒。

《身につけさせたい資質や能力》・・・自ら課題を見付け、率先して課題解決を図る意欲を醸成する。課題解決に向けて学習スキルを活用し、かつ応用できる探求心を養う。様々な方法で情報を収集し、目的に応じて選択、処理、整理、加工、活用ができる資質を育む。調べ学習で得た学習成果をまとめ、プレゼンテーションなどに表現し、場に応じて的確に発表できる能力を培う。

特色ある教育活動の紹介


 特色ある学校環境をいかした全教育活動を通して中学時代に身につけるべき学力、創造力、表現力、体力、コミュニケーションスキルを身につけさせ、上級学校や社会に巣立つ基礎を培っています。
 人として大切な人間力を育みます。

           
知力を蓄え、人を活かし、伸ばし、高める個性的教育(19年度)
 
  @ 国立科学博物館と協働した理科教育。(サイエンスパートナーシップ事業)
国立科学
博物館にて

  A 上野の杜に点在する美術館、博物館、歴史的建造物等を活かした総合的な学習
    活動。
国際子ども図書館 旧因州池田屋敷表門

  B 伝統に裏付けられた東京芸術大学旧奏楽堂での合唱コンクール。
  C 生徒会主催の毎週水曜日早朝の地域清掃活動。
  D 8ヶ月間の学習成果や個性に満ちた創作活動の全貌が判る学芸発表会。
  E 全クラスにゲストティチャーを招いての道徳授業。

  F 校舎の中でも心通う挨拶。 
  G 毎日行われる朝の読書活動。
  H 講師陣がそろった土曜スクール。
  I 全3年生が体験する救急救命講座。

  J  きめの細かなセキュリーティー教室。
  K  家庭科で学ぶ保育実習。